登山を始めたいけれど、どこに登ろうか迷われている方も多いかと思います。
今回は、登山初心者にオススメな「八丁池」を目指す天城山の登山コースをご紹介します。
登山初心者がゆっくりと景色を楽しみながら登って、トータルの所要時間は約6時間です。
※登り慣れている方なら約4、5時間で登れます
天城山は、静岡県の伊豆半島中央部の東西に広がる連山の総称で、日本百名山の一つです。
「八丁池」をオススメする理由
八丁池がオススメな理由を7つご紹介します。
1.登山道が比較的緩やかである
「八丁池」を目指す登山道は、比較的緩やかなので、足への負担が少ないです。
マイペースに登れば、長時間登り続けても負荷がそこまでかかりません。
2.ロープ場や鎖場がないので安心
ロープ場や鎖場などは、初心者にとっては慣れていないため少し危険を伴うこともあるでしょう。
高所恐怖症や心配性な人は、ロープ場や鎖場があることで、登山を諦めてしまうなんてことも。
その点、今回ご紹介する「八丁池」は、ロープ場や鎖場はないため安心です。
3.案内板が多い
「八丁池」には、案内板が多く立っています。
登山初心者にとって、迷わないか、道を逸れていないか不安になることも多いため、案内板を見つけるだけでもホッとすることでしょう。
4.ヒメシャラやブナなどの原生林の中を歩くのが楽しい
登山中は、ヒメシャラやブナの森の中を歩きます。ヒメシャラの群生や大きなブナの大木は、変わった形のものや面白い生え方のものもあり、見応えがあります。
ユニークな木々に目を奪われ、視覚的にも楽しめるのが良いところです。
八丁池近くになると白いベルのような花を咲かせるドウダンツツジも楽しめます。
5.八丁池付近にトイレがある
登山初心者が心配になるのはトイレ問題。長時間の登山にも関わらず、多くの山にはトイレがありません。
八丁池の登山では、八丁池から300mのところにトイレがあるので安心感があります。
6.登頂時の八丁池の絶景は達成感をたっぷり味わえる
登頂時に神秘的な池に出会えます。
別名「天城の瞳」とも呼ばれる八丁池は、神聖な雰囲気が漂っています。
見晴台で少し遠目から見た後は、池のほとりまで行くことができます。
水は人の心を癒す力があり、水辺にはストレスを軽減する効果があります。登頂時に八丁池を目の当たりすれば、リフレッシュできること間違いなしです。
7.周辺に観光名所が沢山ある
周辺には、浄蓮の滝や旧天城トンネルなど魅力的な観光名所が多数あるため、登山ついでに観光することもできます。
今回ご紹介するコース
水生地下駐車場に車を停めてスタートし、踊子歩道から水生地へ向かい水生地歩道、上り御幸歩道を通って八丁池を目指します。
帰りは、下り御幸歩道を通り水生地まで行き、行きと同じく踊子歩道を通って車を停めた水生地下駐車場へと戻ってくるコースとなります。
行きに3時間、帰りに2時間、休憩に1時間で所要時間は約6時間になります。
ゆっくり登ったときの所要時間なので、慣れている方なら、4、5時間くらいで登れる人もいると思います。
STEP① : 水生地下駐車場に車を停めよう
今回ご紹介するルートでは、車は「水生地下駐車場」に停めます。
名称 | 水生地下駐車場 (すいしょうちしたちゅうしゃじょう) |
住所 | 〒410-3206 静岡県伊豆市湯ケ島 |
料金 | 無料 |
台数 | 約12台 |
トイレ | 無 |
STEP② : 踊子歩道を歩く
所要時間 : 10min
水生地下駐車場から、国道414号線の道路を挟んで対面に「踊子歩道」があります。
踊子歩道の看板が立ってるのが目印です。踊子歩道は、川端康成の小説「伊豆の踊子」の舞台となった天城路を歩く全長18.5kmもあるコースで、天城登山で歩くのはそのほんの一部です。
いつか踊子歩道も全制覇してみたいですね。
伊豆の踊子文学碑「川端康成像」を見ることができます。
右手に渓流を望みながら、歩いていきます。せせらぎの音が聴こえて心が穏やかになります。
車も通れる広い砂利道が少し続きます。
約10分ほど歩くと「水生地」に到着です。
STEP③ : 水生地
所要時間 : 20min
水生地は、少し休憩できる東屋があったり、5、6台ほどの駐車スペースがあります。
八丁池4.6kmの看板が立っています。
「八丁池 林道沿いに進んで下さい」という看板があるので、その通りに進んでいきます。
一般車両等通行止めのゲートが見えてくるので、くぐりましょう。
このゲートの橋から見える渓流の景観は見事です。
このゲートには、下り御幸歩道の看板があります。このゲートから、約20分ほど林道を進むと、水生地歩道があります。そして、そこからさらに200mほど歩くと下り御幸歩道があります。
今回ご紹介するコースは、行きは「水生地歩道」を通り、帰りに「下り御幸歩道」を通って戻ってきます。
林道は、塗装された道です。
ヘビを発見。これは毒蛇なのでしょうか。くれぐれもヘビや虫などには気を付けましょう。
苔と水のコラボが美しい。水に触れると冷たいので、歩いて熱った身体が喜びます。
ゲートから20分ほどで、水生地歩道の登山口に到着です。
STEP④ : 水生地歩道から登山スタート
所要時間 : 1h30min
「水生地歩道」の入り口に到着しました。ここから本格的な登山のスタートです。
水生地歩道は、およそ2.2kmあります。
森林の中を進んでいきます。
次に目指すのは、上り御幸歩道です。案内板をしっかりチェック。
苔むした橋を渡ります。
青々とした木々に癒されますね。GWに登りましたが、2、3組すれ違ったくらいなのでとても静かでした。
水生地歩道は、右手下方に川が流れています。
倒れている木が多いので、足元や頭上に注意して歩きましょう。
「至 上り御幸歩道」の看板を発見。迷わないように看板のチェックと、
黄色いテープを目印に行きましょう。登山中迷いやすいところには、こっちですよ〜とテープをつけて道標をしてくれています。
どうしても面白い木や植物に気を取られてしまうので案内板やテープも探しながらいきましょう。
サルノコシカケも発見。
苔の絨毯も綺麗です。
巨人が寝っ転がっているような倒木。ユニークな木を見つけるのが登山の醍醐味の1つでもあります。
案内板が壊れている箇所を発見。案内板は重要なので心配です。
圧巻のヒメシャラの大木。
大迫力の木の根っこもチラホラとあります。
1時間半ほど歩くと、上り御幸歩道の案内板が見えます。
STEP⑤ : 上り御幸歩道へと突入
所要時間 : 30min
水生地歩道入り口から登り始めて約1時間半経過すると、「上り御幸歩道」と書かれた案内板があります。
ラストスパートです。ここら辺に来ると、ドウダンツツジの木も多くなってきます。
GWに行ったのですが、赤色の新芽が沢山出ていました。
案内板がまた立っています。八丁池まであと20分。
途中で木の様子が変わります。白雪姫が夜の森の中をさまよい歩いているシーンのようなウネウネとした木々。
次の案内板を発見。八丁池まであと10分。
あともう一踏ん張りです。
そして、次の案内板で、「八丁池トイレまで3分」と表示されています。八丁池の手前にトイレがあるのです。
そして、「上り御幸歩道入口」の案内板。この地点が、八丁池方面から来た場合の上り御幸歩道入り口になります。
STEP⑥ : トイレ休憩
山の中のトイレとしては清潔感のあるトイレです。八丁池近くのトイレはここだけになるので、ここでトイレ休憩を挟みましょう。
STEP⑦ : 見晴台から絶景を望む
所要時間 : 20min
トイレの向かいに案内板が立っています。この場所は分岐点となっていますが、ここでは八丁池方向に進む前に、ここから2分のところにある「見晴台」へ行きましょう。
錆びついて穴の空いた少し怖い階段を登った先は、視界の開けた絶景が待ち構えています。
なんといっても、見逃せないのがこの神秘的な八丁池の全貌を望めること。山の中の巨大な池には、何か神聖な生物が棲みついているかのよう。
よく見ると、富士山がピョコンと頭を出しています。八丁池と富士山のコラボです。
少し疲れていても、「見晴台」には行くべきですね。
さぁ、絶景を堪能したあとは、あと残り少し。八丁池を目指しましょう。
今までずっと登ってきましたが、八丁池のほとりに行くには、最後は少し下ります。
八丁池が木々の間から見え隠れしてきます。
「八丁池まであと2分」という案内板。
八丁池はもう目前です。
STEP⑧ : 八丁池到着
休憩時間 : 1h
お目当ての「八丁池」に到着しました。やはり近くで見ると広大さがより際立ちますね。
高さ3mほどある大きな記念碑が茂みの中にひっそりと佇んでいます。これは、昭和天皇行幸記念碑で、昭和天皇が1930年6月に八丁池を往復登山したことを記念して「天蹕留蹤碑 (てんひつりゅうしゅうのひ)」と刻まれています。
八丁池の周りは綺麗に整備されていて、芝生が広がっています。
八丁池の看板も立っているので、記念撮影もバッチリ出来ますね。
休憩所があります。と言っても、階段しか残っていませんが。
八丁池の周囲は一周出来ません。行けないのかなと思い散策してみましたが、半周が限界でした。
けもの道を通って限界地点まで来た時に、謎の石像を発見しました。
とても異様な感じがしましたが、どうやら川や海、池に祀られる弁才天なのではないかと言われているようですね。
そしてなんだか不思議な感覚なのが、海ではないかと錯覚を起こす波と砂浜。
八丁池は、断層のズレによって生じた窪地に水が溜まってできた湖であることが明らかになっています。
さて、八丁池の湖畔でお昼休憩を取りましょう。ガスバーナーでお湯を沸かして、カップ麺をいただきます。
運動した後の大自然の中で食べるカップ麺ほど最高なものはないでしょう…。
おやつもちゃんと持って来ました。キャラメルポップコーン。甘いものは体に沁みます。
キャラメルポップコーンがなかなか良い役目を果たしてくれました。軽いので、登山に最適!
レジャーシートも持って来ていたので、1時間ほどまったりしました。
STEP⑨ : 帰りは下り御幸歩道
所要時間 : 1h20min
行きと帰りで同じ道は面白くないので、帰りは「下り御幸歩道」を通ります。
かなりの巨木。なぜだか進撃の巨人を想起させます。
案内板。「下り御幸歩道起終点65分」
またまた不思議な巨木が出現。どうやったらこんな生え方になるのでしょうか。
ブナとヒメシャラの森林を下っていきます。
下り八丁池歩道分岐点があります。
さらに進むと少し開けたところに来ます。
今までは木々が自然のトンネルを作ってくれていたので涼しいのですが、ここに来て直射日光を浴びるので結構暑くなります。
さらに進んでいくと案内板が立っています。
ここには、ベンチや東屋があります。
垂直方向に伸びるとても歩きやすそうな道に吸い込まれそうになりますが、「水生地 下り御幸歩道分岐点」方向に歩みを進めます。
「水生地まで 約65分」の案内板。
根っこから根こそぎ取られた大木がいくつも倒れていました。
「水生地まで 約50分」の案内板。
まだまだ山道は続きます。
「水生地まで 約45分」の案内板。ここら辺は、結構頻繁に案内板があります。
下り御幸歩道は、川沿いではありませんが大きな水たまりがありました。
途中ではしご場があります。ここだけ少しドキッとしました。
登りならあまり怖くないかもしれないですが、下りだとなんとなく怖い感じ。あまり高くはないのですが。
「水生地まで 約25分」の案内板。
そして整備された林道が見えて来ました。
下り御幸歩道起終点に到着です。
STEP⑩ : 水生地を目指す
所要時間 : 30min
しばらく林道を歩きます。
200mほどで、行きの登山口「水生地歩道入り口」が見えます。
行きと同じ道を歩いていくと、水生地のゲートが見えて来ました。
STEP⑪ : 踊子歩道を歩く
所要時間 : 10min
行きと同じ「踊子歩道」を通って水生地下駐車場を目指します。
STEP⑫ : 水生地下駐車場に到着
車を停めた「水生地下駐車場」に無事到着です。
登山初心者向け!「八丁池」登山の注意点
1.食料と飲み物を持って行くこと
八丁池には、売店や自動販売機などはありません。必ず食料と飲み物は持参するようにしましょう。
また、八丁池を望みながら食べるご飯は格別なので、レジャーシートがあると寛ぐことができます。
2.登り始めの時間に注意すること
日が落ちると、山の中は照明も街灯もないため真っ暗になります。八丁池は、ゆっくり登山をすると6時間ほどかかるので、日が落ちる時間から逆算して登り始めなければなりません。
季節によって日が落ちる時間は異なりますが、念のため15時までには降りてこれるように逆算して登ると良いでしょう。
3.夏でも防寒対策は必須
登山は登っている間は、身体が燃焼してとても暑くなりますが、その分汗を沢山かきます。
そうすると、山頂で休憩している間に汗冷えしてしまい、一気に寒くなりとても危険です。夏でも侮れません。
必ずウィンドウブレーカーなど防寒できるものを持って行くようにしましょう。
インナーで汗冷えを防ぐこともできます。このファイントラックのドライレイヤーベーシックが、汗を外に放出し汗冷えを軽減してくれるのでとても快適です。
4.雨が降った日の翌日は注意する
雨が降った日の翌日は、足元がぬかるんでいてとても滑りやすくなるので危険です。
極力雨の日の翌日は避けた方が賢明ですね。
まとめ : 「八丁池」を目指す天城山は初心者にもおすすめ
今回は、登山初心者向けに「八丁池」を目指す天城山の登山コースをご紹介しました。
どこの山を登ろうか迷われている方の参考になれば幸いです★
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